これまでのコラムでは、「コラム1:マンションの資産価値は管理とコミュニティで決まる!」 「コラム2:コミュニティがしっかりしたマンションは管理状況がよい!」 「コラム3:管理組合における広報活動の重要性」と題して、マンションコミュニティやマンション管理の重要性について、お話させて頂きました。今回は「200年住宅政策にみる国のマンション管理への危機意識」と題して、今後のマンション管理のあり方、マンションの未来について、国がどのように考えているのかを簡単に紹介したいと思います。

2007年8月26日の日経朝刊 第1面 トップに、『住宅長寿化へ税優遇 国交省、中古市場整備で支援策 改修など情報蓄積「履歴書」国が認証』と題して記事掲載されました。日本の住宅寿命が米欧と比べて短命で、また、中古市場が整備確立されておらず、その流通も非常に少ないことを、かなり以前から国土交通省は問題視しておりました。そして、そのことに対しまして、今回は、

新築時の設計図や定期点検の結果、
  震災の被害状況など住宅履歴書に
  最低限盛り込む情報のガイドラインを作成する
住宅履歴書をデータベースで一元管理する
条件を満たした履歴書には国が認証を与える
認証を受けた履歴書を使う住宅については、
  固定資産税や売買時にかかる登録免許税、
  不動産取得税を軽減する

という施策により、日本の中古住宅流通の活性化を図り、長寿化を実現しようというものです。この政策は、福田前首相が就任直後に「200年住宅政策」として、今後の住宅政策の大きな指針を打ち出した流れを汲んで、国土交通省が現在法案化を目指している政策になります。

今回、本コラムでは上記政策の中でも「管理組合における住宅履歴書の作成」というテーマについてご説明したいと思います。

姉歯元建築士による建築構造計算書偽造、空調取り付けでの鉄筋切断ミス(大阪府営住宅)、工事会社による鉄筋不足マンション問題、アスベスト問題等これらのニュースで自分のマンションは大丈夫かと心配されている方は多くいらっしゃいます。
設計状態を調べるには、まず設計図書が必要ですが、言うまでもなく、それら資料がきちんと保管されていなければなりません。平成13年8月1日施行の「マンション管理適正化法」では、「建築主(売主)は、管理組合に1年以内に設計図書を引き渡さなければならない」と定められており、もし組合が紛失などしてしまうと大きな問題になりかねません。
日々の建物メンテナンス状況などを書類としてしっかり保管・管理することが、マンションの資産価値低下を防ぎます。中古マンション市場ではマンションの管理状況を重視する傾向にあり、今後このようなマンション重要書類の管理状況、オープンな開示姿勢が益々問われてくることでしょう。また、前述したような、住宅履歴書データ(住居の情報を集め、記録したもの)の管理を徹底する官民一体の大きな動きも始まっています。まずは、設計図書や管理規約などの重要書類の存在を管理組合でしっかり確かめた上で、劣化をせず長期に安心して保存できる電子管理をすることが重要となります。

入居20年、30年と経ってくると、建物に関する資料や図面などを紛失してしまうマンションが多く見受けられます。居住者のほうだけではなく、管理会社やデベロッパーでもきちんとした管理がされておらず、修繕の時になってこれらをあわてて探しているマンションも多いようです。
マンションについては、仕様、図面、設備情報、修繕情報など、マンションに関わる、様々な履歴を情報としてしっかり残すことが重要で、後からそのマンションを購入した人や入居する人にとっては、これらを確認出来れば、情報を探す手間も無くなりますし、こうした情報がしっかりと管理されていれば売却側も安心です。
後々の修繕や理事会活動の大きな問題となる前に、重要な資料は紙で管理するのはもちろんのこと、マンション独自のWEBシステムなどでデータ管理しておけば、資料紛失の可能性を大きく低減できるということで、「マンション情報共有サイト」を利用されるケースが増えております。

マンションに関わる大切な資料を電子化・共有化するシステムを用意し、マンション居住者皆できちんと運営管理していくことが、今後マンションの資産価値向上につながるのではないでしょうか。

最後に管理すべきマンション管理資料の代表的なものを、下記に記しますのでご参考にしてください。
これまで見てきたように、国の政策の流れからも「管理がしっかりしたマンションが評価される時代」になるのは間違いございませんので、自らの資産は自らで守る意識を持ってマンション生活を充実したものにして頂ければと思います。
最後まで本コラムをお読み頂きどうもありがとうございました。

お手元の施工図面や各種図書をご確認ください 随時追加・更新が行われ、保存・参照が必要な書類

頻繁に見ることは無いが必要な時に
  無いと大変面倒なことになるもの。

1.確認申請関係書類(申請書副本、適合通知、検査済証など)
2.竣工図
    ・意匠図 ・構造図 ・エレベーター図
    ・立体駐車場関係図 ・電気設備図
    ・給排水設備図 ・外構図
3.構造計算書
4.積算内訳書(保管があれば)
5.募集時、入居時のパンフレット

役員の交代などで時間の経過と共にわからなくなる
  可能性があり、常に整理管理し引継ぎなど
  明確にしておく必要のあるもの

1.規則・細則(数年に一度は見直しや追加などが必要)
2.総会議案書・総会議事録
3.理事会議事録
4.工事発注履歴(工事に関する図書・契約書)
5.長期修繕計画書(定期的に見直しが必要)
6.管理委託契約書・重要事項説明書
7.個別の管理委託契約書
8.アンケート記録・お知らせなどのことで
   相談したいことを気軽に質問

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